土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
複数都心形成モデルの確率安定性解析 ―線分都市vs.円周都市―
山口 修平赤松 隆
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2019 年 75 巻 2 号 p. 109-127

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抄録

 Fujita and Ogawa (1982)モデルは,複数都心が均衡状態として形成されることを示した都市経済学分野の代表的な集積経済モデルである.このモデルは複数均衡を持ち,中には実現不可能と考えられる不安定な均衡解も存在しうる.そのため,均衡解の安定性を吟味し尤もらしい解を選択する必要があるが,解の安定性を検証した研究は従来存在しない.本研究では,ポテンシャル・ゲームと確率安定性概念を用いて,Fujita and Ogawaモデルの安定均衡解の特性を明らかにする.空間設定を線分都市と円周都市として分析した結果,本モデルは以下の3つの特徴を持つことが示される: 1) 複数都心パターンが安定均衡解として創発する,2) 交通費用パラメータを減少させるにつれて安定解の都心数が単調減少する,3) 上記の2つは線分都市と円周都市に共通する性質である.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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