2019 年 75 巻 2 号 p. 97-108
本研究では,首都圏高速道路網における長期間観測データに基づき,渋滞パターン(空間分布・推移過程)に安定的な規則性が存在すること,およびその規則性がMacroscopic Fundamental Diagram (MFD)と対応付けられることを明らかにした.具体的には,時々刻々,道路網上で出現している渋滞空間分布は,年間を通して少数の典型的な分布タイプに限定され,その日内状態推移過程も,年間を通して少数の推移パターンに限定されることを示した.また,これらの推移パターンによってMFDの形状が異なること,およびMFD曲線上の各区間とその区間における渋滞空間分布タイプとの間に対応関係があることを明らかにした.