2019 年 75 巻 4 号 p. 212-220
わが国において,空き家の数は増加の一途をたどっており,空き家の市場流通化の促進が必要となる.そこで本研究では,空き家所有者と空き家非所有者の意識的な実態を把握・分析し,それに基づいた空き家対策のアプローチ手法を検討した.分析結果から,空き家に対する意向は,所有者の年齢や空き家年数によって異なる.例えば,賃貸・売却意向や行政制度利用意向は年齢が若いほど高くなっているため,若年層にはそれらを周知することが効果的である.また,空き家年数が20年を経過すると空き家所有者の管理頻度は著しく低下し,不動産価値が棄損される.さらに,所有者が高齢の場合,賃貸・売却意向や制度利用意向が低くなり,アプローチ手段がなくなる.このため,市場流通化に向けた迅速な空き家対策が必要である.