本稿では,恩田ら1)以降開発されてきた中心地理論の群論的スペクトル解析手法1),2),3)を高度化することで,都市への人口分布に内在する“階層”の深さを統計的に明らかにする手法を提案する.具体的には,多数のスペクトルの中からの効果識別のためにLasso回帰とVariation partitioningを組み合わせ,さらに抽出された効果の有意性評価のために並び替え検定を導入した,これにより,既存手法1),2),3)では困難であった階層毎の影響評価を可能とした.更に,実人口分布データに対して提案手法を適用し,都市の空間分布の背後に潜む階層深さとその影響力が都市・地域によって大きく異なることを示した.
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