2019 年 75 巻 5 号 p. I_1177-I_1187
近年交通サービスの利便性や効率性の向上を目指す概念である Mobility as a Service(略称 MaaS)が注目されている.MaaS において公共交通は,一定金額を支払うことで乗り放題となるサブスクリプション型運賃制度を採用されることが多く,より公共交通を利用しやすい環境が整えられている.
本研究ではこの運賃制度の着目し,ケーススタディとして滋賀県大津湖南地域の大学生に路線バスを対象としたサブスクリプション型運賃制度を設定した.そして SP 調査,社会実験を実施し,事業採算性における導入可能性を検討した結果,本運賃制度の導入によりバス事業者の売上げ増加が期待できること,利用者は現行料金制度利用時と比べバスを利用する頻度が増加し,より多様な目的を持ったバス利用行動を実施することを明らかとした.