土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第36巻(特集)
VR を用いた率先避難者の有効性の検討
藤村 幸大藤見 俊夫田中 歩夢Mohamad F. N. AULADY
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2019 年 75 巻 5 号 p. I_61-I_68

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抄録
避難は災害リスクを回避するために非常に効果的かつ最適な措置だと言える.しかしながら,多くの人は災害発生リスクが高まっても避難しない傾向にある.これは,危険な状況に曝された時,危険を認識しないようにし,現状を維持することを好む「現状維持バイアス」の影響を受けている可能性が考えられる.この現状維持バイアスを克服し避難を促す存在として「率先避難者」という概念が片田らによって提唱されている.本研究では,仮想現実(VR)を用いた実験を行い,率先避難者の有効性を検討した.氾濫のリスクが高まっている 3 つのシナリオを提示し,被験者が避難を開始する時間を計測した.分析の結果,率先避難者が避難を促していることが確認された.また,率先避難者には河川が見えることと同程度の避難促進効果が有るという新たな知見が得られた避難は災害リスクを回避するために非常に効果的かつ最適な措置だと言える.しかしながら,多くの人は災害発生リスクが高まっても避難しない傾向にある.これは,危険な状況に曝された時,危険を認識しないようにし,現状を維持することを好む「現状維持バイアス」の影響を受けている可能性が考えられる.この現状維持バイアスを克服し避難を促す存在として「率先避難者」という概念が片田らによって提唱されている.本研究では,仮想現実(VR)を用いた実験を行い,率先避難者の有効性を検討した.氾濫のリスクが高まっている 3 つのシナリオを提示し,被験者が避難を開始する時間を計測した.分析の結果,率先避難者が避難を促していることが確認された.また,率先避難者には河川が見えることと同程度の避難促進効果が有るという新たな知見が得られた.
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© 2019 公益社団法人 土木学会
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