2020 年 75 巻 6 号 p. I_513-I_522
本研究では,路線バス運転手の接客について,好感を持つものと,不快に感じるものの具体的な内容の把握を行った.良い接客が高い頻度で行われている一方で,「しっかりとした挨拶がない」ことや「愛想や態度が悪い」など,基本的な接客が出来ていない運転手の存在が明らかとなった.これらの悪い接客について1度でも経験した場合に,利用を減少させたい人が存在することが明らかとなった.多くの運転手が良い接客を続けても,一部の悪い接客をする運転手によりバス利用者が減少する可能性がある.都市間の接客の比較では,三大都市圏の方が良い接客の頻度が高く,良い接客を受けた際の利用増加意識も高い結果であった.一方で,悪い接客の頻度や,悪い接客を受けた際の利用減少意識は,三大都市圏とそれ以外の都市とで差がみられない結果であった.