2020 年 75 巻 6 号 p. I_683-I_693
近年,交差点内事故対策として,交差点のコンパクト化事業が注目されている.本研究では,近年交差点のコンパクト化が行われた5交差点と構造条件の異なる3交差点において実施されたビデオ観測調査のデータを用いて車両挙動の分析を行った.その結果,停止線セットバック量が大きくなると左折車の進入部速度が上昇すること,隅切半径が大きくなると左折車の進入部,隅角部,流出部速度が上昇することが示された.また,交差点内ゼブラ標示だけでは左折車の速度抑制効果があまりみられないことや,停止線間距離が大きくなると直進車の信号切り替わり時の危険挙動が生じやすくなることが示された.