土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第37巻(特集)
道路ネットワーク構造に着目した交通事故リスク要因のマクロ分析
福井 智侑塩見 康博
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2020 年 75 巻 6 号 p. I_705-I_716

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抄録

交通事故分析は,その成果の実現可能性や細かさを考慮すると,個々の対策箇所ごとに講じることが望ましい.しかしながら,生活道路への交通流入などが事故の要因である場合,その原因は,幹線道路と生活道路の階層性や道路ネットワーク構造といった,特定交差点・単路以外の要素が事故の発生につながっている可能性が考えられ,対策箇所ごとの分析ではそれらの考慮が難しい.そこで本研究では,まず,市区町村単位での道路ネットワーク構造特性を表す指標として方向別交通容量比を提案し,ETC2.0 データによりその妥当性を判断した.その後,ポアソン回帰分析によって事故リスクとの関係を明らかにした.その結果,幹線道路の網羅的な整備が事故件数削減に有効であることなどが明らかとなり,交通安全対策としての道路高規格化の重要性が示唆された

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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