2020 年 76 巻 2 号 p. 156-167
都内水上交通は,観光拠点間の移動機能に加えて,東京を代表する観光資源が眺められる等,非日常感が体験可能な観光事業である.しかし,こうした水上交通が10年以上に渡り継続した事例は極めて少ない.そこで本研究では,都内水上交通の持続的運営を目指して,都内水上交通事業者の航路変遷と事業形態の変化を明らかにした.その結果,第1期(1971-1995年)は「飲食クルーズ型」や「景観体験型」による東京を代表する景観が望める東京港周辺航路の確立,第2期(1996-2011年)は「歴史・文化体験型」による都内中小河川の周遊航路の誕生,第3期(2012-現在)は「移動周遊型」によるコースを自由に企画可能な貸切プランの形成という各期の特徴を捉えるとともに,それらを通じて水上交通事業を継続するための留意点を示した.