2020 年 76 巻 2 号 p. 168-179
本研究では,個人間カーシェアリングを自動運転車両で行う自動運転シェアリングサービスに対する手段転換とサービス提供に関する意志決定モデルの推定,およびそれらを組み込んだ自動運転シェアリングサービス運用シミュレータの開発を行った.このシミュレータを用いて,熊本都市圏を対象に自動運転カーシェアリングサービスが導入されたときの利用需要,車両価格や貸出価格が予約受付トリップ数やサービス提供者の収益に与えるインパクト,都心部における駐車時間の変化などについて分析を行うことを目的とする.その結果,全トリップの約15%がこのサービスに転換すること,サービス提供者は一日に約15,000円の収益を得ること,都心部の自動車1台あたりの駐車時間は半分程度まで減少することなどが明らかになった.