2020 年 76 巻 2 号 p. 180-195
2016年4月より実施されている高速道路料金施策「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針」が高速道路のOD・経路交通需要に与えた短期的影響に関する実証分析を行い,その因果効果を推計した.まず,インターチェンジペア単位のETCログデータより得られる集計OD交通量に対し空間パネルデータ分析を適用し,料金変化の度合いに応じた因果効果が存在することが統計的に確認された.次に,パネル効果を考慮した集計型経路選択モデルを構築し,施策実施に伴って圏央道への交通量シフトが促進されたことが統計的に確認された.最後に,料金施策の因果効果を推計したところ,総交通需要に関してはほとんど影響を及ぼさなかったものの,首都高速を利用する都心通過交通が圏央道利用に大きくシフトした可能性が示唆された.