2021 年 76 巻 5 号 p. I_1171-I_1184
2027年の品川駅-名古屋駅間のリニア中央新幹線の開通に際し,山梨県には山梨県駅(仮称)が設置される予定である.しかし,現JR甲府駅とは直線距離で6.8kmほど離れており,現在は直通のバス路線もない地域である.そのため,アクセス交通整備が必要である.これに対し,山梨県ではバスによる直行アクセス交通は検討されているものの,経済効果や住民の利便性等を含めた評価がなされていなかった.そこで本研究では,応用一般均衡型都市経済(CGEUE)モデルを用いて,地域住民の利用も考慮に入れたリニア中央新幹線山梨県駅からの多様なアクセス交通整備の経済効果を計測した.その結果,リニア中央新幹線利用者と地域住民の利用による総合的な経済効果の最も高いルート案を提示することができた.