2022 年 77 巻 5 号 p. I_1045-I_1055
本研究は,ネットワークへの需要分布が上位選択(交通モード選択や住宅立地選択等)により内生化された,タンデムボトルネック・ネットワークにおける出発時刻選択問題の特性を理論的に考察する.具体的にはまず,上位選択に制約のない単純な同時選択均衡を考え,2 つのボトルネックに限定した均衡状態パターン(どの地点で需要・渋滞が発生するか)が上位選択固有の費用(効用)差,隣接ボトルネックの容量比によって分類できることを示す.そして,このパターン分類が,一般的なボトルネック数の問題や上位選択に制約を加えた問題の分類にも有用であることを明らかにする.また,均衡状態と社会的最適状態との関係についても議論を行う.