2022 年 77 巻 5 号 p. I_925-I_938
先行研究では,平成 15 ~ 28 年の 14 年間において,都市間高速道路の交通性能が低下していることが示されている.ただし,同期間でどのように低下したかは明らかになっていない.また,観測される交通容量として,渋滞発生時交通量と渋滞発生後捌け交通量の経年変化を示した研究は少ない.本研究では,都市間高速道路における平成 8~ 31 年の 24 年間を対象として,渋滞発生時交通量と渋滞発生後捌け交通量が経年的に低下していることを明らかにした.遅く見積もっても,渋滞発生時交通量は平成 25~26年,渋滞発生後捌け交通量は平成 13~20年において,低下が始まっていたことを示した.また,交通容量の経年低下の要因として,大型車交通量・大型車混入率の増加と,それに伴う交通の質(属性)の変化の可能性があることを示した.