2023 年 78 巻 5 号 p. I_437-I_447
MaaS (Mobility as a Service) には,異なる交通モード間で情報や料金体系を統合して利便性を上げることで,人々の外出機会の増大を促進する役割も期待されている.本研究では,MaaS 導入による人々の活動変化を評価するために,田淵・福田 (2020) を拡張し,定額料金の支払いで一定エリアの交通サービスが利用し放題になるサブスクリプションサービスを明示的に考慮した鉄道利用者の Activity-based モデルを構築した.東京都市圏を対象に,MaaS 導入による人々の活動変化予測とそのときのサブスクリプション料金水準を推計するシミュレーションを行ったところ,MaaS が寄り道を促進させる効果が一定量あることや,サブスクリプション料金への支払い意志額は女性や20歳以下の若者ほど高くなることなどが示唆された.