土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第40巻(特集)
VRを活用した反転インターチェンジ における利用者挙動・意識分析
井上 卓磨田中 伸治松行 美帆子有吉 亮
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 78 巻 5 号 p. I_789-I_798

詳細
抄録

欧米においては,交差点内の右折車関連事故の対策法として反転インターチェンジ(以下,反転IC)が導入されつつある.本研究では,我が国の既存の交差点形状を参考に反転ICをVR空間内で仮想再現したうえで,日本人を対象としたドライビングシミュレータによる走行実験,ヘッドマウントディスプレイを用いた歩行実験を行い,車両と歩行者の反転IC利用挙動ならびに利用意識を分析した.分析の結果,反転ICは車両の走行速度抑制効果が高く,またドライバの横断歩行者に対する譲り挙動が誘発されやすい傾向にあることがわかった.さらに歩行者の観点から,横断時安全確認動作において反転ICの優位性が確認され,統計モデル分析の結果,歩道の防護設備や設置形状に関する検討を行うことで,歩行者のポジティブな意識の醸成に繋がることが示された.

著者関連情報
© 2023 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top