2022 年 78 巻 6 号 p. II_159-II_167
近年,買い物弱者問題など購買環境に関する議論が多くみられる.購買環境はアクセシビリティから評価されることが多いが,どう捉えるかはあくまで個人の主観に基づくため,主観的評価の向上が求められる.しかし,どのような地域・品目で主観的評価が低いのかといった基礎的情報が明らかとなっていない.そこで本研究では,主観的評価の向上が求められる地域や品目を把握するため,独自アンケートと既存調査を接続することで,地域特性と主観的評価の関係や変化を分析した.結果,1)食料品は相対的に満足率が高く,衣料品のほうが低く評価されていること,2)都道府県別満足率は可住地人口密度・人口増減率と概ね比例すること,が明らかとなった.