2022 年 78 巻 6 号 p. II_416-II_424
わが国における交通事故死者数は減少傾向にあるものの「歩行中」など致死率の高い事故の減少率は低く,安全対策の必要性が高まっている.愛知県豊田市では「歩行者保護モデルカー活動」と称した人対車両事故削減を目的とした交通安全啓発に取組んでいる.本研究では「横断歩道での歩行者優先」を取り上げ,ドライバーへの意識調査で得られた知見を踏まえ,地域住民らによる交通安全街頭啓発運動を活用した効果的な啓発方法を検討した.
ドライバーとのアイ・コンタクトを取りながら「止まってくれてありがとう!」等のメッセージを掲示し停止したドライバーに会釈する等,街頭において「能動的な啓発活動」の実証実験を行った結果,「能動的な啓発活動」実施時には通常の街頭活動時よりも歩行者優先率が向上することが明らかとなった.