土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
乗合バス運賃の政策的割引に関する研究 ―青森県八戸圏域の実証分析―
吉田 樹
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2022 年 78 巻 6 号 p. II_449-II_459

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抄録

 わが国の乗合バス運賃は,総括原価方式に基づく価格設定が基本だが,協議運賃制度を活用した運賃低廉化施策のほか,高齢者の経済的負担を軽減するバス乗車証制度など,地方公共団体等の財政負担を前提とした政策的割引の事例も存在する。本研究では,青森県八戸圏域における二つの施策を事例に,乗合バス運賃の政策的割引の合理性や課題を示した。その結果,運賃に対して需要が弾力的に変化するのは,概ね毎時1往復以上運行されるケースに限られるが,財政負担を投じたとしても,地方公共団体等と乗合バス事業者の双方に利得が生じる場合があり,政策的割引の合理性が確認された。一方,高齢者バス乗車証に関しては,運行頻度が希薄な区間では,乗車証の利用割合が高く,政策的割引への負担金の多寡が運行の維持に影響する可能性が高いことを示した。

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