土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
和文論文
幹線鉄道整備における利害対立問題に関する移動権と公益性の視点からの基本方針の考察
波床 正敏
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 6 号 p. II_71-II_83

詳細
抄録

 本研究では国際交通における無害通行権の考え方,国内での交通政策基本法に至る移動の権利に関する議論の整理,土地収用の考え方と具体的な方法の整理,民地における囲繞地通行権の考え方と解決方法の整理をそれぞれ行った.その結果,共通概念として通行側の利益を重視していること,通行は無害通行が原則で,費用が発生する場合は通行側が負担するのが基本であるということがわかった.

 現行の交通政策基本法では移動が基本的人権としては認められていないため,囲繞地通行権のような法的な権利の半自動的な設定は難しい.だが,新幹線整備には公益性があること,対立地域間での局所的な整備水準の観点では,整備済み地域が未整備地域に対して整備を阻止する合理的な理由が存在しないことなどの考察を行い,一定の解決の方向性を示した.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top