2023 年 79 巻 1 号 論文ID: 22-00130
我が国の高速道路舗装では,経年に伴う構造耐荷力の低下による損傷部位の深層化が確認されている.実務においては,表層材料が密粒度から高機能へと推移したことを受けて,損傷状態に応じた層別修繕が実施されているが,構造耐荷力がどの程度回復したかは定量的な評価がなされておらず,層別修繕の効果と構造耐荷力との関係性が明らかになっていない.本研究では,舗装構造の耐荷力の推移を,1) 経年によって低下する劣化過程と,2) 修繕時に向上する回復過程との複合過程としてモデル化する.これにより,構造耐荷力の劣化予測に加え,修繕時の回復を推移確率として定量的に評価することが可能となる.さらに,高速道路舗装を対象とした適用事例を通して,提案したモデルの有用性について考察する.