2023 年 79 巻 12 号 論文ID: 23-00078
本研究では,繰返し移動輪荷重を受ける道路橋鉄筋コンクリート床版の破壊機構に基づいた疲労寿命予測法の構築を目的として,まず,破壊形式を整理して3つに分類し,破壊形式に応じた疲労寿命評価を行う必要性を示した.その後,実験的手法によりRC床版のはり状化部材の疲労破壊機構に基づく残存せん断耐力低下モデルの構築を行った.さらに,配力筋比,圧縮強度,支持条件の差異を考慮したせん断耐力式とS-N曲線式からなる疲労寿命予測法を提案し,輪荷重走行試験における一定荷重および階段状漸増荷重の評価,RCおよびPC床版の疲労寿命評価を可能とした.過去の輪荷重走行試験の実験データとの比較により,提案する疲労寿命予測法の適用性を確認した.