2023 年 79 巻 13 号 論文ID: 22-13010
液状化時の埋設管の浮上りは,液状化による浮力がトリガーになり,管周辺の地盤が管底部へ回り込むことによって浮上が継続するメカニズムであることが模型実験や解析を用いた既往研究から明らかにされている.数値解析技術が進展しているものの,地盤の回り込み現象を精度良く評価できる方法は限られている.また,既往の模型実験は,管断面に対して水平加振した場合がほとんどである.本研究は,液状化時に地盤が管下へ回り込むことによる浮上りへの影響を評価するため,管模型の埋設条件を同じにして管断面と管軸面のそれぞれの方向に水平加振実験を行い,加振方向による埋設管の浮上りの差異を明らかにした.液面揺動の影響を受けない場合には,管断面に水平加振した時の浮上り量よりも管軸方向に水平加振した時の浮上り量は0.5~0.87倍小さくなった.