2023 年 79 巻 14 号 論文ID: 22-14004
GFRP引抜成形材は土木構造部材として広く用いられているが,長期暴露後のデータが少なく耐久性が不明確なことが,主要構造部材としての普及を妨げる一因となっている.本研究では,長期暴露後のGFRP引抜成形部材の残存性能を明らかにすることを目的に,約20年間屋外暴露されたGFRP引抜成形角パイプ及び同期間室内保管されていた同パイプを対象に,静的4点曲げ試験を行うことにより残存曲げ性能を明らかにした.また,長期暴露後においてもチモシェンコのはり理論により変形挙動を概ね評価可能であることを確認した.さらに,曲げ耐荷力を局部座屈応力の計算値や初等はり理論を用いて計算される破壊荷重と比較し,暴露後の供試体においては,載荷に伴う角部の破壊進行により回転拘束効果が低下し局部座屈耐荷力が小さくなる可能性を示した.