2023 年 79 巻 14 号 論文ID: 22-14003
本研究は,溶融亜鉛めっき連結板を有する高力ボルト摩擦接合GFRP(ガラス繊維強化ポリマー)継手の接合条件がすべり挙動に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,短冊型GFRPすべり供試体を用いたすべり実験および接触圧試験を実施し,すべり実験後には電子顕微鏡を用いたすべり供試体の接合面観察を行った.実験パラメータは,連結板および母材の表面処理,ボルト軸力,ボルト孔径である.すべり実験の結果,りん酸塩処理によって溶融亜鉛めっき連結板の表面粗さを粗くすること,GFRP表面にフッ素樹脂塗装を施すことで,すべり耐力が向上することがわかった.また,接触圧試験とすべり面観察から,母板の表面処理にGFRPより柔らかい素材の塗料を用いることで,母板−連結板間の密着性が良くなるため,すべり耐力が向上することを示した.