2023 年 79 巻 15 号 論文ID: 22-15022
本研究では,密度逆転領域を含む自然対流を伴った水の凍結および氷の融解問題に対し,相平均モデルに基づく多相場数値解法を適用した.凍結・融解モデルについては,固液界面におけるステファン条件の計算手法を改良し,計算セル内における界面位置を考慮して凍結層厚さを計算する方法を提案した.1次元の凍結問題を計算して提案手法の基礎的検討を行った後,矩形領域内における非定常凍結問題および非定常融解問題を計算した.その結果,計算により得られた固液界面位置の変化が既往の実験結果によく一致することが示された.また,密度逆転を伴う自然対流についても適切に計算されることが示された.