2023 年 79 巻 15 号 論文ID: 22-15028
高強度かつ高靭性な構造は工学的に理想的な構造である.一部の複合構造物では,延性材料と脆性材料という性質の異なる 2 種類の材料を組み合わせることで,構造全体で高い強度と靭性を両立している.本研究では,そのような複合構造物を対象として,強度および靭性を最大化するためのトポロジー最適化手法を提案する.この手法は,強度を担う脆性損傷材料と靭性を担う von Mises 弾塑性材料からなる 2 相構造を想定し,数理構造の異なる 2 つの材料構成則を部分的に組み合わせた特殊な材料表現法を用いるものである.本論文では,本手法に関する一連の定式化について記述し,数例の数値計算結果を示す.