2023 年 79 巻 15 号 論文ID: 22-15055
近年,圧電素子センサを活用した疲労損傷の検知手法について検討が進められている.著者らは,MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサと圧電素子センサを組み合わせたシステムにより,活荷重の大きさが変動する供用中の実橋梁においても使用できるシステムを提案している.しかし,提案システムは異なる計測方式を組み合わせる必要があるため,システムが複雑である.そこで本研究では,これまで MEMS 加速度センサが担っていた「積分範囲の決定」および「外力情報の取得」を圧電素子センサにて行う手法を検討し,圧電素子センサのみによる簡易なモニタリングシステムを提案する.実橋梁における計測結果から,従来手法よりも簡易なシステムにて疲労損傷をモニタリングできる可能性を示した.