2023 年 79 巻 15 号 論文ID: 22-15054
桁へのアクセスが不要なノンターゲット画像計測は,鉄道橋の効率的な変位計測手法として近年広く検討されている.しかしながら,変位の計測精度は構造物表面の状態に大きく依存し,変位応答波形が得られない点も存在する.本研究では,RC 桁と鋼 I 桁を対象にデジタル画像相関法による変位計測を実施するとともに,サブピクセル推定における補間関数の 2 階微分値により変位計測に適する箇所を評価した.その結果,既存手法では水平方向の誤差が鉛直方向の変位推定精度の低下に大きく影響を及ぼすことを明らかにした.また,この水平方向の影響を除去する実用的な改善法により,鋼 I 桁では主として補剛材の位置に限定されていた変位応答波形が得られる箇所が増加することを実証的に示した.