2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17008
砕波で発生した大規模渦列は相互作用を経て指向性の異なる多数の渦を誘発し,さらに渦と自由水面の相互作用によって複雑な水面形を形成する.本研究は,自由水面の存在が渦列間の流体の不安定に与える影響の解明及び不安定モードを決定するパラメータの特定を目的とし,静水中の水面下に指向性の異なる渦対を配置した時の流況,渦度分布,自由水面変動について3次元乱流計算を行うものである.交互交代渦は自己誘導により鉛直方向に変位しながら,指向性に応じて底面あるいは水面に接近する.渦間に誘導上昇流を伴う交互交代渦は水面を上昇させるため高曲率となった水面上では小スケール渦分布が配列しさらなる小スケール水面変形を誘発する.共回転渦は回転性自己誘導によって移動し,非定常な波状水面形を形成する.