2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17121
ケーソン曳航時の動揺低減に単純な直方体形状のFlume式減揺タンクを用いることを検討している.本研究では,縮尺1/15の大縮尺水理実験と周波数応答解析および時系列解析の2通りの数値解析により,不規則波中のケーソン動揺と減揺タンクの効果を考究した.ケーソンのPitchは固有周期での共振時に非線形減衰の影響を大きく受けていた.不規則波中でのケーソンの動揺は非線形減衰や波浪の非線形相互作用の影響があり,動揺量を算出するためには時系列解析を行う必要があることが分かった.減揺タンクは,ケーソンPitchを減衰させる効果と固有周期を変化させる効果を持つ.その効果は,タンク内流体力の大きさとPitchとの位相差によって決まる.時系列解析は,不規則波中での減揺タンクの効果もおおむね再現するものであった.