2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17145
漂着軽石を固化させた軽石ブロックの海藻類付着特性を明らかにすることを目的とした.高炉セメント,水道水,漂着軽石を重量比1:0.5:2.2で混ぜて軽石ブロックを製作し,2022年11月4日に海面と海底に60個ずつ設置した.浸漬13,27,39,67,88,109日後に軽石ブロックを10個ずつ回収して表面に付着している海藻類の湿重量を測定した.海面に浮かべた軽石ブロックでは浸漬13~39日後でアオノリ属Enteromorpha sp.,浸漬67~109日後ではアオサ属Ulva sp.の付着が確認され,浸漬88日後,109日後の海藻類付着量は海底よりも海面の方が有意に多かった.従来,藻場礁は海底に設置されてきたが,本研究で開発した軽石ブロックのように海面に設置することで,海藻類着生の阻害要因である砂の被覆を回避し,海底に比べて光量の多い海面で海藻類の成長を促進できると考えられた.