2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17160
表層型メタンハイドレート(MH)の採掘計画では,海水と共に掘削したMHと泥を船上で揚収し,船上のガス化処理設備にてメタンガスのみ回収後,不要な海水と泥を掘削跡窪地へ海中排出することを計画している.この際,周辺環境への濁りの影響の把握や,窪地への効率的な排出方法が重要な課題となる.
本研究では,不要泥水の海中排出時の濁り把握のため,模擬深海泥を用いた泥水投入試験を実施して泥水排出時の沈降特性の把握を行った.その結果,泥水投入初期は密度流的であるが,全体的には移流拡散挙動が支配的であること,濁度の広がりは海底着水後の泥水運動が水平方向に転化し,水槽壁に衝突後の上向き乱れによって広がることがわかった.また3次元流動モデルによる数値解析により投入泥水の挙動を定性的に表現できた.