2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18010
着床式洋上風力発電のサクションバケット式基礎は,施工コスト低減が期待できる形式である.今後の洋上風力発電開発においてコストダウンが求められる一方で,大型風車の支持が可能な基礎の技術開発が急務となっている.大型風車に対しては多脚基礎により支持する構造形式も有効と考えられる.多脚基礎は脚同士が比較的近接するため,洗掘現象の相互干渉が懸念される.一方,洗掘防止工法として袋型根固め工法がよく知られている.本研究では,サクションバケット式をはじめ多種の基礎構造形式に対する洗掘現象の特性を把握した.また,サクションバケット式における洗堀防止工の効果を確認し,防止工設置数低減に伴うコスト削減が期待された.さらに,基礎周辺の底面流速を数値解析により求め,底面流速比から洗掘範囲を推定できる可能性が示唆された.