2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18018
風車の大型化に加えて,日本では地震荷重の影響も考慮する必要があるため,洋上風車モノパイル式基礎(以下,MP)の外径は増大する傾向があり,SEP船での施工やハンマーでの打撃,工場製作などが課題になっている.そこで,本研究ではMPの周囲にひと回り大きな円筒形の水中制震版(以下,制震版)を一部水中に没水させて設置し,外力を受ける際に制震版がMPとともに水平方向に振動して制震版と水の相互作用により,MPの断面力を低減させる構造を提案する.提案する構造の地震時挙動を確認するために,地盤あり・なしの条件で水中振動台実験を実施した.実験の結果,提案する構造の耐震性能は,風車の2次モードに対して特に高いことがわかった.また,制震版内の液面変動によって,構造物に作用する水の抵抗力が大きくなることも示された.