2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18033
新潟海岸に位置する雨水吐口では主に冬季の荒天波浪に起因する堆砂現象が発生している.堆砂対策を数値計算で考案するためには,まずは堆積土砂を高精度に数値計算する必要がある.そこで本研究では,土砂輸送モデルXBeachを用いて堆砂量および周辺海域の地形変化の数値計算を行った.その結果,現況の雨水吐口で確認されている堆砂現象を再現できた.また,計算堆砂量と浚渫土砂量を比較した結果,XBeachでの算定結果は過小評価していた.そこで再現計算で最も再現精度の高かった計算期間において水面下での土砂の限界勾配に影響を及ぼすwetslpパラメータを変化させた数値計算を再度実施した.その結果,wetslpを0.24に設定することで再現精度の向上が見られた.他方で周辺海域の再現精度についてはさらなる検証が必要であるものの,雨水吐口内の堆砂現象を再現できた.