2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18035
相模湾に面した長さ2.7kmの砂浜海岸(七里ヶ浜)では,近年侵食が著しい.本研究は,この海岸の侵食原因を調べることを目的とした.まず現地調査により,海岸に設置された歩道橋等の天端と現況砂浜地盤との落差を調べることにより,侵食に伴う海浜地盤高の低下量を求め,これより侵食土砂量の推定を行った.また,衛星画像を用いて汀線付近での露岩域の広がり状況を調べるとともに,侵食が激化する前の2015年11月28日当時の海岸状況との比較を行い,海浜の侵食状況を把握した.既往検討では,七里ヶ浜周辺区域では正確な海底地形が不明であったことから,2022年1月には航空レーザ測深(ALB測量)を行い,この測深結果を基に海底地形特性を調べた.