2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18058
地形変化モデルXBeachを礫浜の地形変化に関する既往の断面実験に適用し,漂砂に関わるパラメータが与える影響を調べるとともに,断面実験結果との比較により地形変化の再現性を評価した.その結果,礫浜表面を出入りする浸透滲出流の影響を考慮するため,岸向き掃流砂量の倍率uprushfacを1より大きくし,沖向き掃流砂量の倍率backwashfacを1より小さくすることで,断面実験で確認されていた堆積型の地形が得られることを示した.また,XBeachを礫浜に適用した既往の研究と同様に浸透滲出流の機能を使用するだけでは,堆積型の地形の再現は困難であることが判明した.上述した岸向き掃流砂量と沖向き掃流砂量の倍率に加えて底質の静止摩擦角reposeangleをキャリブレーションすることで,波浪条件や人工リーフの有無によらず地形の時空間的な変化の再現性が向上することを確認した.