2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18068
浅海域での利用を念頭に,石炭灰を有効活用し環境影響の低減を実現できる石炭灰混合材の開発と,それを用いた岩礁性藻場造成用の藻礁ブロックの開発を目指している.ここでは,砂地盤上に置かれた石炭灰利用藻礁ブロックの安定性を水理模型実験により検討した.石炭灰混合材は通常のコンクリートより密度が小さく,藻礁ブロックの安定上不利であるが,ブロック形状の工夫で安定性の確保を目指した.実験では通常密度の矩形ブロックと,同一形状で密度が小さいもの,矩形ブロックと縦横高さの代表長は同一だが密度は小さく,躯体に孔や斜面,脚を設けた2種類の異形ブロックを対象とした.実験の結果,密度の小さい矩形ブロックは安定性が確保できなかった.それと同密度の異形ブロックは安定し,その安定には脚が大きく寄与したことを明らかとした.