2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18096
カーボンニュートラルは直ちに実行すべき世界的課題であるが,実現のためのエネルギーの利用は進んでいない.本研究ではカーボンニュートラル港を実現するツールとして循環沿岸域で活用可能なカーボンネガティブ資源を検討する.沿岸での水環境の悪化は有機泥の持つ莫大なエネルギーが長期にわたって蓄積されることが主な原因であり,有機泥の還元エネルギーを回収し,利用することで循環が改善される.有機泥からのエネルギー回収は同時にCO2等の温室効果ガスの放出を低減させることになる.本論文では主に底泥のカーボンネガティブ資源としてのポテンシャルを数値化するとともに,カーボンネガティブ資源である有機泥と鉄鋼スラグの電気化学特性(材料特性)を実験的に明らかにして資源の活用法が示された.