2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18134
国内の砂浜海浜を太平洋側,日本海側,内湾,沖縄の4つの領域に分類し,各砂浜の底質粒径と前浜勾配から各領域の特性を明らかにし,汀線後退量について言及する事を目的とした.297ヶ所の粒径と前浜データと調査地点に近いナウファスの観測点23ヶ所の波浪データを用い,外浜勾配は“みんなの海図”と“国土地理院の地図”から求めた.
粒径の頻度は0.3mmと1.5mmに2ヶ所ピークがあり,前浜勾配は0.08~0.16にピークが見られた.底質粒径と前浜勾配の動的な関係は室内実験から修正した係数をコンストラクタル法則に基づいて評価した.海面上昇量を0.3m,底質粒径を0.2mm,0.6mmとして汀線後退量をBruun則に基づいて評価した結果,0.2mmの場合は0.6mmの場合の2倍程度となり従来の算定値と同程度になった.