2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18137
火山大噴火が生じると軽石を含む火山砕屑物が周辺域全体に降下し,河川を含む沿岸域では,大量の軽石が海水面上を長期間漂流することで様々な問題を引き起こす.しかしながら,軽石の物性値の定量化の困難さ,長期間浮遊するために再現性の難しさから軽石群の浅水域における移動過程に関する検討はほとんどない.本報では大型風洞水槽を使用することで(1)波場における軽石群の軌道の検討と(2)構造物周辺での軽石流動に関する検討を行った.その結果,波による軽石群の軌道は場所により抑制または助長されること,構造物周辺の軽石の移動速度と通過流量は,作用風速の影響が大きいことがわかった.