2023 年 79 巻 2 号 論文ID: 22-00052
COVID-19が感染拡大する中,国による緊急事態宣言等や自治体の独自施策によって飲食店営業時間の短縮や休業の要請及び「命令」が繰り返し行われてきた.こうした要請や命令は都市活動に甚大な影響を及ぼすため都市政策上極めて重大な要素であるにもかかわらず,そうした命令を正当化するのに十分なだけの効果があったか,また緊急事態宣言等の措置についても都市全体の感染拡大防止にどの程度有効であったか十分に検証・評価されてきたとは言い難い.本稿では,分析1で当該26店舗が東京都の「時短命令」に従ったことで防止されたと考えられる新規感染数を試算,分析2で緊急事態宣言等が,分析3で宣言等発令の根拠とされる人流抑制がそれぞれ東京都の実効再生産数に与えた影響を分析する.