2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20016
単路部等において,自転車が進行中に後ろから自動車に追突される死亡事故の割合は5.3%と突出して高く,その約7割は夜間に発生している.そうしたことから,自転車側による尾灯の設置,服装の工夫や道路照明や反射材の設置などの視認性向上の手法が推奨されるなど,夜間も含めた安全で快適な自転車通行空間の計画立案および整備が喫緊の課題といえる.しかし,これまで自転車の視認性に関する研究は多く実施されているが,夜間において自転車に対する自動車の追越し挙動の危険性に言及した研究はほとんどなされていない.そこで,本研究では昼間と夜間において自転車に対する自動車の追越し挙動の特性を分析した.その結果,自動車の走行速度と離隔距離のそれぞれで時間要因の主効果に有意な差が確認された.