2023 年 79 巻 21 号 論文ID: 23-21028
無散水融雪舗装において,放熱管の熱を効率良く路面に伝達するために,コンクリート舗装に熱伝導率の高い人造黒鉛を添加することを提案した.まず,人造黒鉛を添加したコンクリートの曲げ試験,圧縮試験,ラベリング試験の結果から,人造黒鉛の添加による曲げ強度と圧縮強度への影響は大きくないものの,人造黒鉛を添加した場合には耐摩耗性は低下することを明らかにした.次に,人造黒鉛の置換率と放熱管の間隔を変えた大型実験を長野県内の豪雪地帯の屋外で実施した.人造黒鉛を添加した場合,放熱管の間隔15cm,30cmにおいて顕著な融雪効果が得られること,コンクリートの細骨材の10~20%を人造黒鉛に置換することにより,放熱管からコンクリート舗装に伝達する熱量を1.5~2.5倍に増加させることが可能であることを示した.