2023 年 79 巻 21 号 論文ID: 23-21029
高速道路舗装において,舗装構造の深層部まで進展する損傷が確認されている.このような状況下において,安全で快適な高速道路舗装路面を持続的に提供するためには,舗装の劣化要因を的確に把握し,長寿命化施策へ反映することが必要である.本研究では,構造条件としてアスファルト混合物層の厚さを採用し,地域の環境・材料条件として降雨特性と骨材のはく離抵抗性を定量化したうえで,高速道路舗装の劣化速度に与える影響を分析した.その結果,アスファルト混合物層の厚さが薄い区間,降雨量が多い地域,はく離抵抗性が劣る骨材の採取地域において,舗装の劣化が速くなることを統計的に明らかにした.さらに,混合マルコフ劣化ハザードモデルの推定パラメータを用いて,地域の環境・材料条件を考慮した舗装構造設計を提案した.