2023 年 79 巻 22 号 論文ID: 22-22018
近年,社会基盤の維持管理のためにMMSで計測した点群データが利用されているが,費用対効果の観点から全国の地方公共団体での導入が難しい.そこで,筆者らは,安価なセンサ機器を用いた車両搭載型センシングユニットを製作してきた.既存研究では,水平と斜めに設置したLiDARを用いたSLAMによる自己位置補正手法の有用性を示した.ただし,斜めにLiDARを設置した場合,連続地点間の計測データが同一形状のときに点群データの生成精度が低下した.また,網羅的に計測するためには計測範囲の異なる複数のLiDARの点群データを重畳する必要性が示された.そこで,本研究では,水平に設置したLiDARの自己位置から斜めに設置したLiDARの自己位置を補正し,両点群データを重畳して広域の点群データを生成する手法を提案する.そして,評価実験により提案手法の有用性を確認した.