2023 年 79 巻 22 号 論文ID: 22-22019
我が国では,敷地を隔てる構造物にブロック塀が多用されている.ブロック塀は,安全性や防犯性の高さから広く普及しているが,災害時に倒壊することで,死亡事故や緊急車両の通行及び人々の避難行動の阻害要因となる可能性が指摘されている.こうした背景のもと,著者らは,ブロック塀の維持管理を円滑に進めるため,広域な都市空間を計測した点群データからブロック塀を抽出し,倒壊の危険度を判定する技術を開発してきた.これらの研究では,散在する危険なブロック塀を明らかにすることに成功したが,倒壊した場合の隣接道路の閉塞状況を加味できていない.そこで,本研究では,点群データからブロック塀が倒壊した場合の道路閉塞の判定技術を開発する.これにより,緊急車両や避難民の移動を阻害する緊急性の高いブロック塀の重点的な点検に寄与できる.