2023 年 79 巻 23 号 論文ID: 23-23172
東北地方の橋梁における種々の橋梁・環境・気象データを活用し,LightGBMによる機械学習を行うことで,土砂化・アルカリ骨材反応・凍害の発生有無を判定する橋梁劣化発生予測モデルを構築する.各劣化種別における予測モデルの判定結果を大きく決定づける劣化因子をShapley値に基づいて同定するとともに,劣化メカニズムとの整合性から予測モデルの妥当性を検証する.さらに,構築される橋梁の劣化発生予測モデルに対して,2種の気候モデルによる気候変動予測データを入力することで,将来における橋梁の劣化発生推移を予測する.気候変動の有無をそれぞれ想定した予測結果を比較した結果,気候変動の影響により橋梁の劣化発生数が増減することが示唆された.また,将来新たに劣化が発生する橋梁は,現時点で劣化を有する橋梁の周辺に多く分布することが示された.